第34話 (92.09.21放映)

〈解説〉

 全50話中で一番面白い話、といったら間違いなくこれ。コメディ路線の決定版とも言えるシナリオである。画面のテンポなどはどうしても文字では伝えられないが、この異常なノリはまさに究極と言えよう。

〈ストーリーあらすじ〉

 フラワーハウスの中にとつぜん現れたドアから出てきたマリーベルのおじいちゃんとおばあちゃん、ジジベルとババベル。二人は人間界にやって来ているマリーベルに会いに来たのです。ところがあいにくマリーベルは外出中。二人ががっかりしているとビビアンとボンゴ、タップがフラワーハウスに遊びにやってきました。三人は表に出てきたジジベルとババベルにびっくり。

 ジジベルとババベルが魔法使いだと聞くと、ビビアンは魔法をかけてほしいと頼むのです。「あたい、お菓子の家を作ってほしい!」 出てきたお菓子の家にビビアンたちは大よろこび! 床はウエハースで壁はクッキー、テーブルはチョコレート。「さあ、食べて食べて食べまくるわよ!」

 ところがフラワーハウスの丘にお菓子の家が出現したと、サニーベルの街は大さわぎ。やっかいなことになったとジジベルとババベルは困ってしまいます。うわさを聞いてかけつけたマリーベルたちとタクロー。フラワーハウスでジジベルとババベルに会って話を聞き、さっそく対策を立てます。今夜誰もいなくなってから魔法で消そうというビビアンのナイスアイディア。しかしなんと、ジジベルはお菓子の家を消す魔法を忘れてしまったというのです。魔法を取り消すのはかけた本人しかできません。悩んでいるうちにどんどん時間はたってゆき、挙げ句の果てにはマギーさんまで来てテレビ取材。だんだんさわぎは大きくなっていくのです。

 ふとタクローはいいアイディアを思いつきます。なんと、このお菓子の家をルックフォード製菓の宣伝に使おうというのです。マリーベルはルックフォード製菓のイメージキャラクター。さっそくマリーベルはスイートルックフォードジュニア社長を呼んできます。「もしかして、このお菓子の家はスイート社長が?」「このお菓子の家は我が社のコマーシャルのために作らせたのですぞに。」 来る途中で渡しておいたお花のワッペン。ババベルがしゃべると、その言葉をそっくりそのままスイート社長がしゃべるのです。これで一件落着、ようやくみんなは帰っていきました。ジジベルとババベルも花魔法界へと帰っていくのです。

 「マリーベル、この家いったいどうする気なんだい?」「みんなで食べちゃいましょう!」 みんなでお菓子の家をバクバク食べていきます。でもとても子供たちで食べ切れる量ではありません。「あたし、もうダメ‥‥タンバリンおねがい。」 残った家をタンバリンはまるごと飲み込んでしまいます。

 ところがようやくお菓子の家がなくなったのもつかの間、ユーリのパパとママが大あわてで丘に登ってきました。なんと、スイートさんが電話してきて、本当にお菓子の家をコマーシャルに使いたいというのです。

 「だいじょうぶ! マリーベルにおまかせよ! マリリンベルルンリンリンリ〜ン、お菓子の家、出ておいで!」 しかしよろこんだのもつかの間、出てきたのはドロドロでぐちゃぐちゃなゆがんだお菓子の家、しかもお味は最悪なのです。「ま、まぁ、このさい味の方はいいじゃないか。ははは‥‥」

 さっそく次の日、スイート社長がやってきてルックフォード製菓の新作、お菓子の家のコマーシャルの撮影がはじまります。ところが玄関からマリーベルがかけ出してくるとゆがんだお菓子の家は見事にぐちゃっと崩壊。あぜんとするみんな。マリーベルも苦笑いするのでした。

〈次回予告〉 〜 #35 「子供になったローズさん」 〜

 はーい、わたし、マリーベル。あたしたちの前にとつぜんあらわれた、ロージィって女の子。バートさんはやっつけちゃうし、時計台のなかのひみつの影絵を、あたしたちに見せてくれる、とってもふしぎな女の子。じつは、ロージィの正体は‥‥次回、花の魔法使いマリーベル、『子供になったローズさん』。マリーベルに、おまかせよ!


  

Marybell Story Digest Ver.1999.07.24