第35話 (92.09.28放映)

〈解説〉

 33話、34話と異常に盛り上がったところにこの強烈な一作。ロージィの魅力はもちろんだが、マリーベルたちの子供の世界にローズおばあちゃんという大人を子供にして導入するというところがまた非常に面白い。

〈ストーリーあらすじ〉

 とつぜんローズおばあちゃんの家にすごい剣幕で乗り込んできたバートさん。ビビアンがこのうちに入ってきたとどなるバートさんに、入れちがいで出ていったとローズおばあちゃんが説明するとバートさんはしぶしぶと帰っていきました。

 でもビビアンは、本当は家の中に隠れていたのです。マリーベルやユーリ、ケンといっしょにローズおばあちゃんお手製のアップルパイを食べさせてもらい、庭でいっしょに遊びます。部屋に残ったローズおばあちゃん‥‥「バートにもほとほと困ったもんだわ。バートも小さい頃はかわいかったんだけどねぇ‥‥あ〜あ、あたしももう一度子供の頃に戻りたいわ‥‥」「魔法でできないこともまあないけどね。」 部屋に残ってパイを食べていたタンバリンがぽろっと言ってしまったその魔法とは、リトルナッツという花魔法界の木の実。これを人間が食べると子供に戻ることができるのです。本当は人間には教えてはいけない魔法なのだけれど木の実をパイと交換してもらってローズおばあちゃんは子供にもどります。

 マリーベルたちがローズおばあちゃんの家から帰ろうとすると、運の悪いことにバートさんとはちあわせ! 怒ったジートにたじたじのビビアン‥‥ところが、「ちょっと待ちなさい! ビビアンがマリーベルと遊んだっていいじゃない! 大人には分からない、子供の世界があるんだから!」 とつぜん現れたその緑の髪の女の子は、バートさんに毛虫をなげつけてびっくりさせ、みんなを引き連れて逃げ出すのです。

 公園まで逃げてきたみんなに、その女の子は今日この街に引っ越してきたロージィと名乗ります。もちろんロージィは子供になったローズおばあちゃんだけどしばらくはないしょ。さっそくみんなで遊園地に遊びに行くことにしました。ロージィがみんなを連れてきたのは人形時計。決まった時間になると人形が出てきて音楽に合わせて踊るのです。でもロージィが見せたかったのは、その人形時計の時計台の中。裏から回ってみんなで時計台の中へ。時間になって人形が動き出すと中にさし込む光が人形の影を照らし出し、壁に影絵のようになって映るのです。美しい影絵にうっとりするみんな‥‥この時計台の影絵は、ずっと昔の子供のころに、バートさんが見つけて教えてくれたもの。この時計台は、バートさんと一緒に遊んだ想い出の場所なのです。

 ところが人形の踊りも終わって時計台から帰ろうとしたところをちょうどバートさんとはちあわせになってしまうのです。バートさんにつかまってしまうビビアンとロージィ。「マリーベルタンバリン! 光のちょうちょよ出ておいで!」 バートさんの気がゆるんだすきにマリーベルたちは逃げ出します。

 ゴーカートやコーヒーカップを乗りついでバートさんから逃げるロージィたち。続けてプロペラ飛行機に乗ると、なんとバートさんが制御室に入りこんで無理矢理機械を止めようとするのです。でも飛行機は止まるどころか逆にすごい回転に! チェーンが切れて飛行機はすっとんでいくのです。「マリリンベルルンリンリンリ〜ン、飛行機よ、まいあがれ!」 魔法の香水でプロペラ飛行機を本当に飛ばすのです。ところがビビアンとロージィが乗った飛行機はバートさんに向かって突進! 壁際に追い込まれたバートさんの直前でかろうじて止まるものの、バートさんは恐怖のあまりひっくりかえってしまうのです。「着陸大せいこう!」

 ‥‥夕方になり、ロージィは広場でみんなにタネ明かし。タンバリンからもらったビックナッツで元に戻るのです。

 「そっか、それでバートさんの嫌いなものも知ってたのね。」 ローズおばあちゃんのおかげでみんなで楽しく遊べたのでした。

〈次回予告〉 〜 #36 「マリーベルの月世界旅行」 〜

 はーい、わたし、マリーベル。みんなのパパとママはケンカする? サニーベルの街じゅうの、パパとママがとつぜんケンカをはじめちゃったの。どうやら、月の王さまと王女さまのケンカが原因みたい。なんとか仲なおりさせなくっちゃ! 次回、花の魔法使いマリーベル、『マリーベルの月世界旅行』。マリーベルに、おまかせよ!


  

Marybell Story Digest Ver.1999.07.24