![]() |
第29話 (92.08.17放映)
〈解説〉 |
『おじいさんの古時計』を彷彿とさせるが中身は全く新しい。見事なシナリオ展開と画面構成で最後まで楽しませてくれる一作である。ラストシーンで息子のシザースさんが帰ってくるシーンに感動した人も多かったのではなかろうか?
〈ストーリーあらすじ〉 |
十年前に主人のストーンさんが事故で亡くなって以来ずっと誰も住んでいない、サニーベルの街のゆうれい屋敷。ぜんまいも巻いていない柱時計がいきなり鳴り出したりしてもっぱらお化けが出るといううわさ‥‥息子さんもお仕事で外国に行ったきり帰ってこられず、家もずいぶん痛んで荒れてしまっているのです。
それを聞いたマリーベルとユーリ、ケンはさっそくその屋敷に行ってみることにしました。「きっと妖精が守ってるのよ」 ゆうれい騒ぎは時計を住みかにしている妖精のしわざかも。中に入ってみればそこには立派な柱時計がしっかりと時を刻んでいるのです。「時計を守っている妖精さん、姿をみせて!」 柱時計の裏からひょっこり出てきたのはウォッチと名のる妖精さん。「ぼく、おじいさんのことが忘れられなくてそれでここに‥‥」 この柱時計はストーンさんがわが子のようにずっと大切にしてくれたもの。あのストーンさんが亡くなってしまうなんて‥‥「でもそれ以上に楽しい想い出を、おじいさんはぼくに残してくれた。」 この家に見知らぬ人が入ってきたら出ていくようにおどかしていたのはやはりウォッチ。おじいさんの想い出の家を荒らされたくなかったのです。
ところがボンゴたちから柱時計の話を聞いたジートが、妖精のせいかと考えてゆうれい屋敷にやって来たのです。ユーリとケンに時間をかせいでもらい、マリーベルとウォッチは裏から逃げてフラワーハウスに。一方、さっきぜんまいを巻いたから時計が動いていると言い張るユーリとケンに、ジートはぜんまいをもう一度巻けというのです。ぜんまいの巻き方を知らなくて戸惑うユーリとケン。「きみたち、もう少し上手なウソをつくんだね。」 妖精がいると確信したジートは妖精探知器を取り出して調べ始めます。しかし妖精なんてどこにも見つかりません。ジートはがっかり‥‥
ところがジートはあきらめずに、なんと柱時計の前に居座って妖精が出てくるのを待つことにしたのです。困ってしまうみんな‥‥ふとマリーベルはいいアイディアを思いつきます。
そしてその夜。ユーリたちはシャベルを持って集合します。「じゃ、タンバリン、ウォッチ、頼むわよ」 うとうと眠りかけたジートの妖精探知機に突然反応が! 「ジート! おまえが本当に世界一の妖精ハンターならぼくたちをつかまえてみろ!」 ジートは目の色を変えて飛び起きるとタンバリンたちを追って庭へ走り出します。そのスキにマリーベルは花馬車に柱時計を乗せていったんフラワーハウスへ送ります。タンバリンとウォッチを追い回すジート‥‥しかしどうしても捕まえることができません。さんざんかけ回って疲れたジートは、ついにはユーリたちが掘った穴に落ちて気を失ってしまうのです。
しかし屋敷の方はジートのせいで床に穴が開いたりしてぼろぼろに‥‥「おじいさんとの想い出の家がめちゃくちゃだ‥‥」「だいじょうぶ、マリーベルにおまかせよ! マリリンベルルンリンリンリ〜ン、お屋敷のお化粧開始!」 すると荒れ果てた屋敷は見違えるほどきれいに。さみしかった庭の花壇にも花が咲き乱れるのです。
次の日、ローズおばあちゃんも一緒にみんなで柱時計を返しにやってきました。するとなんと、屋敷に誰かが引っ越してきているところだったのです。
「あれはおじいさんだよ!」「あの人はストーンさんじゃないのよ、息子のシザースさんが帰ってきたの。」 落ち込むウォッチに、「ウォッチ、がっかりすることないわ、とってもやさしそうな人じゃない。ストーンさんの子供ですもの、また一緒に楽しく暮らせるわよ!」「‥‥うん、そうだね!」
「どうもありがとうございました、父さんが大事にしていたこの時計、私も大切に使います。十年たってもこの家がこんなにきれいだなんて、これもみんな、父さんが大切に使っていた証拠ですね。」
時計の裏からちょっと顔を出しているウォッチもとてもうれしそう。マリーベルのおかげでウォッチはこれからもしあわせにこの屋敷で暮らすのでした。
〈次回予告〉 〜 #30 「迷いの森のビビアン」 〜 |
はーい、わたし、マリーベル。今日はみんなで、ハイキングに来たの。ええっ? ビビアンが森のなかでゆくえ不明? ところが、森には見えないバリアーがはられていて、魔法をつかってもなかに入れないの。どうやらいたずら妖精、モーリィのしわざみたい。ビビアン、どこなの? 返事して! 次回、花の魔法使いマリーベル、『迷いの森のビビアン』。マリーベルに、おまかせよ!
Marybell Story Digest Ver.1999.07.24