第28話 (92.08.10放映)

〈解説〉

 この28話と30話でビビアンにスポットが当てられ、ビビアンというキャラクターのひとつのターニングポイントを演ずることになる。少しヒネたイヤミな性格が取れ、やさしさを見せるようになりながらもまだ素直になりきれないビビアンはユーリたちとはまた違った魅力を持っている。

〈ストーリーあらすじ〉

 公園に捨てられたオンボロのワゴンカー、この車を使って子猫のチャチャをみんなで飼っていました。チャチャは捨て猫。どこの家も飼うことができず、頼みの綱のマリーベルのうちも、タンバリンが猫嫌い。仕方なくこのワゴンカーの中で飼うことにしたのです。

 ビビアンは、そんな事情を聞きながら一人でマンガを読んでいました。「ねえねえ、ビビアンもいっしょにチャチャのめんどうみようよ、かわいいんだから。」「なんでそんなことしなくちゃいけないのよ? 冗談じゃないわよ!」 ところが意外にもチャチャの方がビビアンになついてしまうのです。

 花魔法で出したお花のトランポリンで遊ぶマリーベルたちやチャチャを横目で見るビビアン。「まったく気がしれないわね、あんなノラ猫のどこがかわいいのかしら?」 そう言っているうちに、ビビアンは車の中でうとうと。そこにやってきたチャチャが、ビビアンの着ていた買ったばかりのお洋服を汚してしまいます。怒ったビビアンはチャチャをみんなに突き出して帰っていってしまうのです。

 その上、帰ってきたビビアンから事情を聞き出したバートさん。「誰が公園にこんなものを‥‥まったく危なくてしょうがない!」 警察に頼んでワゴンカーを処分してもらうのです。

 レッカー移動されているワゴンカーを見てマリーベルたちは大あわて! しかもおまわりさんに聞けば中には子猫なんていなかったというのです。みんなで手分けしてさがそうという言葉に「あたいはイヤよ! 誰があんな猫、探すもんですか!」 ビビアンは一人で帰っていってしまいます。仕方なくビビアンぬきでチャチャを手分けして探すみんな‥‥しかしチャチャはどこにも見つかりません。

 ところが家に帰りがけのビビアンが、横断歩道を渡ってくるチャチャを見つけたのです。あやうく車に引かれそうになるチャチャに「もう、ハラハラさせるわね! 待ちなさい!」 ビビアンは怒ってチャチャを追いかけるのです。チャチャはそのまま走って港へ。もう日もずいぶん傾いています。

 帰ろうとしたビビアンがチャチャの声を聞いてふりむくと、なんと、蝶を追ってチャチャがクレーン車を登っているのです! 「な、なんてとこにのぼってんのよ!」 チャチャを追ってクレーン車を登っていくビビアン。なんとチャチャは蝶を追ってクレーンの先のフックに飛び移ってしまうのです。

 一方、チャチャたちのことをカモメさんから聞いたマリーベルたちは急いで港へ。かけつけてみれば、ビビアンがクレーンから身を乗り出してチャチャに向かって叫んでいるのです。「ホントにバカね、あんたって! こっちに来な、来いっていってるのよ!」 チャチャは思いっきり飛んでビビアンのもとへ! ところが安心したのもつかの間、クレーン車を登ったはいいけれど降りられなくなってしまったのです。「マリリンベルルンリンリンリ〜ン、花のゴンドラ、ビビアンたちをたすけて!」 ビビアンとチャチャはゴンドラに乗って下へ。ようやくビビアンとチャチャは仲良しになれたのです。

 幸い、チャチャは街の古道具屋さんのマーズさんのうちで飼ってもらえることになりました。いたずら好きでマーズさんもちょっと困りものだけど、なにはともあれ一件落着です。

〈次回予告〉 〜 #29 「ゆうれい屋敷の古時計」 〜

 はーい、わたし、マリーベル。サニーベルの街にある、ふる〜いお屋敷に、おばけが出るって噂があるの。誰もすんでいないのに、古時計が動きつづけていたり、とつぜん物が落っこちたり。でもあたしは、おばけの正体をしってるんだ! 次回、花の魔法使いマリーベル、『ゆうれい屋敷の古時計』。マリーベルに、おまかせよ!


  

Marybell Story Digest Ver.1999.07.24