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第27話 (92.08.03放映)
〈解説〉 |
物に宿る妖精を描いたシナリオとしてはこの話のほかにテーブルランプの妖精の話などがあるが、物を大切にする心、それにこたえてくれる妖精という構図で我々を楽しませてくれる。マリーベルの絵本を大切に思うみんなの心は、それを物としてしか扱わないジートと見事に対称的になっている。
〈ストーリーあらすじ〉 |
真夏の蒸し暑い午後、図書館に入りびたってひたすらマリーベルのことを調べるジート。妖精をつかまえるためにはマリーベルをなんとかしなければならない‥‥そうして見つけたのは、本に挟まれた一枚の写真。それはマリーベルの絵本の写真だったのです。
しかしすべての出版物があるという国営図書館にもそんな本はないというのです。がっかりするジート‥‥ところがなんと、その絵本をユーリとケンが持っているところを見つけるのです。絵本を見せてくれないユーリたち。なんとしてでもマリーベルの絵本を見ようと思うジートはその夜、なんと、ハシゴをかけてユーリたちの部屋に忍び込もうとするのです。「こんなことはしたくないんだけど、盗むんじゃなくて、読ませてもらうだけだ、うん」 ところが窓のネジを外しているジートをリボンが見つけて吠えたからびっくり! ジートはハシゴから転げ落ちて気絶、泥棒さわぎと聞いて駆けつけたお巡りさんや周りの家の人たちも気絶しているジートを見てびっくりしてしまいます。
次の日。ユーリのパパとママ、ローズおばあちゃんに謝るジートから訳を聞いて「ちゃんと言ってくださればお貸ししたのに。」 ローズおばあちゃんはマリーベルの絵本をジートに貸してあげるのです。ジートは大よろこび。ローズおばあちゃんたちも事情を知ってほっとひと安心。
ところが絵本を読みながら家に帰ってくるジートを見つけてバートさんが激怒! 「ジート!」 その声に驚いたジートは取り乱して、なんと、マリーベルの絵本を焼却炉に落としてしまうのです。大慌てで拾いあげたマリーベルの絵本はすでにボロボロ。ジートが謝りに持ってきたボロボロの絵本に、ユーリとケンは泣き出してしまうのです。二人を抱きしめるローズおばあちゃん‥‥「ごめんなさいね、まさかこんなことになるなんて‥‥ジートさんをせめるわけにはいかないわ、彼だってわざとやったわけじゃないんだもの‥‥」「現実のお友達とお別れしたみたいな感じだわ‥‥」
ローズおばあちゃんにとって、マリーベルの絵本は子供のときから一緒にいた大切なお友達‥‥悲しいことやつらいことがあっても、いつかマリーベルが来てくれるって思っていた‥‥「ありがとう、みんな!」 気づくと、マリーベルがやって来ていたのです。「聞こえちゃった。マリーベルの本も、そんなふうに思ってくる人たちに出会えて、とっても幸せだと思うわ。」「でも、マリーベル、焼かれちゃったらかわいそうだよ!」
「そんな悲しい顔しないで、あのね、マリーベルの絵本は、その本を好きになってくれた人の、笑顔が好きな本なの! なおしちゃいましょう!」 その言葉にびっくりするユーリたち。「マリリンベルルンリンリンリ〜ン、絵本の妖精さん、でておいで!」 すると、ユーリたちのまわりに、小さな妖精さんがたくさん現れるのです。「絵本の妖精さんがマリーベルの絵本を作ってくれるの!」 妖精さんが絵本に光の粉をふりかけると、まばゆいばかりに絵本が輝き出すのです! そして光がやんだかと思うとなんと、マリーベルの絵本が二冊に! 「はい、こっちはユーリとケンに、こっちはローズおばあちゃんに! ユーリたちがマリーベルの絵本のために泣いてくれたから、絵本が増えちゃったの!」
こうしてマリーベルの絵本も元どおり。ローズおばあちゃんはあらためて絵本をジートに貸してあげるのです。ところがマリーベルの絵本はごく普通のただの絵本。マリーベルと妖精のことについては別に書いていなかったのです。がっかりするジート‥‥でもまだジートのたくらみは続きます。
〈次回予告〉 〜 #28 「ビビアンと子猫のチャチャ」 〜 |
はーい、わたし、マリーベル。みんなで子猫のチャチャをかうことにしたの。チャチャったらビビアンのことが気に入っちゃったみたい。ところが突然、チャチャがいなくなっちゃったの。たいへん! ビビアンもさがすのを手伝って! 次回、花の魔法使いマリーベル、『ビビアンと子猫のチャチャ』。マリーベルに、おまかせよ!
Marybell Story Digest Ver.1999.07.24