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第45話 (92.12.07放映)
〈解説〉 |
宝石の中の世界に入り込むという特殊な設定のシナリオだが、内容的には他の作品と特別に区別されるものではなく全く同一線上に据えてよい一作である。また、いままでのゲストキャラとはまたひと味違った魅力のあるクリスも見どころと言えよう。
〈ストーリーあらすじ〉 |
マリーベルがフラワーハウスのそばでひろった宝石。美しく輝くその水色の宝石は見ているとなんだか吸い込まれそう‥‥「マリーベル、マリーベル‥‥」 ところがその宝石からマリーベルを呼ぶ声がするのです。そして宝石が一瞬強烈な光を放ったかと思うと、マリーベルとタンバリンは宝石の中へと吸い込まれていってしまいました。
‥‥輝く通路を落ちてゆくとそこは光り輝く美しい世界。どうやらあの宝石の中の世界のようです。とりあえず空を飛んで辺りを見てまわっていると、とつぜんカラスがマリーベルの前を横切り、なんとマリーベルタンバリンを持っていってしまうのです。マリーベルはまっさかさま! 湖に落ちていってしまいます。
クマの一族に助けてもらったマリーベルは、マリーベルタンバリンを奪っていったのがいたずら好きでみんな迷惑しているクリスという魔女の手下のブリキのカラスだと知ります。美人だけと氷のように冷たい心の持ち主、クリス‥‥
花魔法を手に入れたクリスは魔法の花びらでクマの一族にいたずらをします。「花魔法をいたずらに使うなんて!」 ところがクリスのところへ連れて行ってほしいというマリーベルの願いに、クリスを怖がって誰も応じてくれないのです。でも子グマさんたちからモグラのモリリンが抜け道を知っていると聞きます。モリリンに案内してもらって地下の抜け道で城の近くの水晶の森へ出たマリーベルたち。この水晶の森の向こうにクリスの住む宮殿があるのです。
マリーベルたちは水晶の森を進みます。ところが水晶に映ったマリーベルたちがぬっと出てきてマリーベルたちを取り囲んでしまうのです! あとずさりしたマリーベルとタンバリンは水晶の中に引きずり込まれてしまいます。
そしてマリーベルが出てきた先はどこかのろうやのよう。どうやらクリスの魔法がかかっているらしく、魔法のない二人はどうにも逃げ出せません。しかしなんとモリリンが床からひょっこり。穴を掘って助けに来てくれたのです。なんとか脱出したマリーベルたちはクリスの元へと走ります。「クリスったら、もぉゆるさないんだから!」
ところが大きな扉の前まで来ると向こう側からすごい声が。中をこっそりのぞくと、なにやら魔女が花としゃべっているのです。「あたしの部屋をめちゃくちゃにしてタダで住むと思っているの!?」 どうやらあれがクリスのよう。でもどうも様子が変です。クリスはマリーベルタンバリンを取り出すと、「おのれ花ども! おまえたちは私の魔法で命を与えられたのだぞ! この私に逆らうというのか?! あたしの魔法で灰にしてやるわ!」 しかし花に足もとをすくわれ、クリスはすっころんでしまうのです。
ところがその水色の髪の毛はカツラで、大きなマントの下から出てきたのはオレンジの髪の毛の小さな女の子。「いったーい!」「なーんだ、こんな子供だったの。これが魔女だって。お笑いね!」 まわりにいた花たちはクリスのことを笑います。「馬鹿にしないで! 魔女の中の魔女、クリスよ!」 しかし意気込んだところで背丈はさっきの半分もありません。まわりの花たちはさらに大笑い。とうとうクリスは泣き出してしまいます。「いじめないでよ! おともだちになろうと思ったのに‥‥」
クリスは本当はさみしがり屋さん。森のみんなとも仲良くしたいのに子供の魔女だと馬鹿にされると思って大人の魔女に化けたり、花とお友達になろうとしてマリーベルの花魔法をぬすんだりしたのです。「クリス‥‥泣かないで、ね!」「‥‥ごめんなさい! お花とおしゃべりしてるマリーベルの花魔法を水晶玉で見ていたらうらやましくなっちゃってあたし‥‥ごめんなさい、マリーベル。」 クリスはマリーベルタンバリンを差し出すのです。「もういいのよ。ほんとはクリス、みんなとなかよくしたいのよね。」「うん!」
「じゃ、マリーベルにおまかせよ!」 マリーベルはステッキを取り出すとクリスに渡すのです。「あたしが‥‥? 無理よあたしには!」「ううん、きっとできるわ! ともだちになりたいっていう気持ちを、すなおに魔法にたくすの!」「うん、やってみる!」
「マリリンベルルンリンリンリ〜ン! お花さん、おともだちになって!」 クリスがステッキを振ると凶悪なお花さんたちはやさしい顔に。「やったじゃないクリス!」 マリーベルとクリスはフラワーカーペットに乗ってお城から飛び出します。
クマの一族は飛んでくるマリーベルのとなりのかわいい女の子を見てびっくり。「なにを隠そう、あの子がクリスよ!」 フラワーカーペットが飛んだあとには美しい草花が。凍りついた水晶の森も青く生い茂る美しい森となるのです。子グマもクリスを追って走りだします。「すてきなプレゼントありがとう、クリス!」「よかったね、クリス!」
‥‥「じゃ、元気でね、クリス!」「また遊びに来てね、マリーベル‥‥きっとよ!」 マリーベルは再びサニーベルの街へと帰っていきました。「マリーベル、ありがとう‥‥!」 クリスはようやくみんなと仲良しになれたのでした。
〈次回予告〉 〜 #46 「ジジベルサンタの大騒動」 〜 |
はーい、わたし、マリーベル。みんな、サンタさんにあったことある? なんと、サンタさんの正体は、ジジベルだったの! ‥‥え〜っ?! ジジベル、みんなへのプレゼントの袋を落としちゃったの? たいへん! 大いそぎで探さなきゃ!! 次回、花の魔法使いマリーベル、『ジジベルサンタの大騒動』。マリーベルに、おまかせよ!
Marybell Story Digest Ver.1999.07.24