第18話 (92.06.01放映)

〈解説〉

 花の魔法使いマリーベルでは仲のよい二人がケンカするシナリオが三つあり、そのうちのひとつがこのシナリオである。ボンゴとタップの性格を前面に出してすれ違う二人を見事に描く一作。

〈ストーリーあらすじ〉

 ボンゴとタップが海辺の崖の影に見つけた難破船。二人はこの難破船を修理して海に乗り出そうとしていました。

 難破船は二人だけの秘密、男と男の約束。ところがマリーベルやユーリにせまられたボンゴは秘密をばらした上に、みんなを難破船のところに連れてきてしまったのです。

 「男と男の約束を破るなんて最低だよ!」 タップはかんかんに怒ってしまいます。「この船だってオレが見つけたんだぞ!」「でもボクだって一生懸命なおしたんだからね、ボンゴだけのものじゃないはずだよ!」 二人はケンカしてしまうのです。

 夕方になって家に帰ってきたマリーベルとユーリ、ケン。自分たちのせいでケンカしてしまった二人を仲直りさせるには‥‥「もしあの船が動いたら、ボンゴたちよろこぶだろうなぁ」 魔法でちょっとだけ船を浮かべて、二人に仲直りしてもらおうと思ったのです。

 つぎの日の朝。なかなか来ないマリーベルをあきらめて、さしあたりユーリとケンとリボンだけで船に出掛けて行きました。すでにやってきていたビビアンといっしょに船に乗り込みました。しかし今日は海位が異常に上がる大潮の日。いつの間にか天気もくずれ、船が海の方へ向かって動き始めたのです。

 「マリーベルね!」 船が動き出したのは花魔法のせいに違いありません。ところが船のどこを探してもマリーベルが見つからないのです。「またなんかいたずらでもしようとしてるんじゃないかな?」

 船が沖の方まで出てきてもボンゴとタップはまだケンカ。空を見上げれば嵐になりそうな雲行き。「この天気もマリーベルの魔法なのかな?」「そうだ、コンパクトで呼びだしてみましょう!」 ところがびっくり! なんと、マリーベルはフラワーハウスでぐっすり寝ていた上に、まだなんにもしていないというのです。

 その上、船が波であおられたせいでユーリはマリーベルコンパクトを海へ落としてしまうのです。着替えたマリーベルがコンパクトを通してワープして出てきたところは海の底。海面に上がった時にはすでに船はどこかに流されてしまっていたのです。

 「マリリンベルルンリンリンリ〜ン、花馬車よでておいで!」 風が強いので海の中から船を探そうとします。

 その頃、船の上ではまだボンゴとタップのケンカが続いていました。「ボンゴが約束をやぶったのは、あたしたちがどうしても、ってたのんだからなの。」 でも今はまず、船をなんとかしなければなりません。外輪を動かせば‥‥さびついてはいたけれど、タップが油を差してちゃんと修理しておいてありました。燃料を入れてエンジン始動! タップはボンゴとの航海にそなえて港の船をいろいろ調べて、動かし方を覚えていたのです。

 しかし海は荒れ、操舵室で舵をとるボンゴも大苦戦。そのとき大きな波が! 耐え切れずにボンゴが手放してしまった舵をタップが握ってくれたのです。「一人でやるより、二人の方がいいだろ、ボンゴ!」 ようやく二人は仲直りしたのです。

 そしてマリーベルも、ボンゴたちの船をやっと見つけ出しました。「マリリンベルルンリンリンリ〜ン、安全な航路をつくってちょうだい!」 花魔法のおかげで海岸に向かって船の進路が作られるのです。二人は一緒に舵を握って港に向かったのでした。

〈次回予告〉 〜 #19 「キャンプは楽し!」 〜

 はーい、あたし、マリーベル。今日はみんなで、キャンプにやってきたの。つりしたり、森のなかを探検したりして、ユーリもケンも大よろこび。よーし、みんなで森の動物たちや、妖精さんと、おともだちになっちゃおう! 次回、花の魔法使いマリーベル、『キャンプは楽し!』。マリーベルに、おまかせよ!


  

Marybell Story Digest Ver.1999.07.24