第40話 (92.11.02放映)

〈解説〉

 シナリオ展開の面白さ、キャラクターのかわいらしさ、マリーベルたちとの会話で少しずつミリィが変わっていく様子など、この作品の得意とするところが見事に集まって非常に魅力的な一作に仕上がっている。

〈ストーリーあらすじ〉

 季節はもうすっかり秋。美しく紅葉した木々の中、マリーベルたちはキノコ摘みにやって来ました。ボンゴやビビアンが間違えて毒キノコを摘んできたりしてみんな楽しそう。ところが耳を澄ますと誰かがマリーベルを呼んでるみたい。さっそくみんなで行ってみるとそこにいたのはコスモスさんたち。

 「コスモスさん、どうして泣いてるの?」‥‥なんと、コスモスの花を守っていた妖精さんがいなくなってしまったというのです。妖精がいないとコスモスの花たちは種を作ることができず、来年再び咲くことができなくなってしまうのです。それぞれの花にはそれぞれの花の妖精がいて、この仕事はほかの妖精が代わってやることはできません。もうすぐ冬がやってくるのに‥‥

 さっそく森の木や妖精さんたちに話を聞いて回ります。なかなか手がかりは得られなかったものの、妖精さんのことを知っている小鳥さんに出会うことができました。話を聞けば、十日ほど前の風の強い日。飛んで来た木の枝でケガをしてしまったコスモスの妖精さんは、ちょうど通りかかった女の子にちょうちょさんとかん違いされてひろわれてしまったというのです。その子は大きなピンクのリボンをしていて、いっしょにいたおかあさんがミリィちゃんと呼んでいたとか。

 ところがとりあえず家に帰ったものの、天気予報では北からの強烈な寒波によって明日は真冬並に冷え込むというのです。もしこのまま北風がやってきたらコスモスさんは枯れてしまうかもしれません。急いで妖精さんを見つけないと‥‥

 次の日の朝早くにさっそく集合、ふた手に分かれて行動します。ボンゴ、タップ、ビビアンのグループは木材やロープ、ビニールを使ってコスモスさんたちを北風から守り、もう一方のマリーベル、ユーリ、ケン、リボンのグループはミリィちゃんをさがしに街にくり出します。

 しばらくする頃にはビビアンたちはコスモスさんたちを守るためのカバーを作り終わり、一方のマリーベルたちもウェスト通りのケントさんの家の娘さんだと分かってさっそくミリィちゃんの家に向かいます。ところが行ってみればなんとけさ引っ越していったというのです。けさならまだそれほど遠くには行っていないはず。話をたよりに魔法の香水を使って空からさがしに出かけます。だんだん強くなってきた風。ビビアンたちもビニールを押さえて風からコスモスさんをしっかり守るのです。

 ‥‥空を飛んでいるうちにとうとう夕方に。ここまで来てもまだ見つからないのです。あきらめかけたそのとき、エンジンの調子が悪くて止めている車とそのそばにいる大きなピンクのリボンの女の子を見つけるのです。ミリィちゃんに違いありません。さっそく降りて話しかけるのです。

 「ミリィちゃん、この虫かごの中のちょうちょさんとちょっとお話ししていいかな?」「うん、いいよ」 話してみればやはりコスモスの妖精さん。ミリィちゃんに本当のことを話して返してくれるよう頼みます。ところが「これはわたしのちょうちょさんよ! 妖精さんなんかじゃないわ!」 ミリィちゃんは車に乗って行ってしまうのです。

 困ってしまうマリーベルたち‥‥タンバリンが車の中へ行ってどうして逃げないのかとコスモスの妖精さんにたずねてみると、ケガを治してくれたのにだまっていなくなったらミリィちゃんが悲しむというのです。でも寒さはきびしくなる一方。このままでは本当にコスモスさんたちは枯れてしまいます。コスモスの妖精さんも困っていると、とうとう車がオーバーヒート。ミリィちゃんがかごを持って外に出ると、目の前の野原から美しく綿毛が舞い上がるのです。思わず見とれるミリィちゃん‥‥

 「あの種も、妖精さんたちが飛ばしているのよ。ねえミリィちゃん、妖精さんたちを見たくない?」 やってきたマリーベルの言葉にミリィちゃんはそっぽを向いてしまいます。「ウソついたらママにしかられるのよ!」

 「ウソじゃないわ。これを見てちょうだい! マリリンベルルンリンリンリ〜ン! すてきな妖精さんたち、出てきてちょうだい!」 すると妖精さんたちが種を飛ばす準備をして、そして種を飛ばしている様子が見えるのです。

 「ほんとだ! 妖精さんが種をとばしてるんだ! すごーい! じゃああなたもほんとに妖精さんなのね?」‥‥ミリィちゃんは妖精さんをかごから出してあげるのです。「よかったね、妖精さん!」 コスモスの妖精さんがミリィちゃんの前に来て話しかけてくれるのです。「ケガをなおしてくれてどうもありがとうだって!」 ミリィちゃんもにっこり。「どういたしまして!」

 マリーベルたちは妖精さんをコスモスの花のもとへと送りとどけました。コスモスの花たちもうれしそう。これでコスモスの花たちは今年の冬を越せるのです。

〈次回予告〉 〜 #41 「がんばれ! 愛のキューピット」 〜

 はーい、わたし、マリーベル。え〜っ? ジートさんの結婚相手が、マギーさんですってぇ?! ところが、キューピッドのブルーノがかぜをひいちゃって、愛の矢が打てないの。こうなったらわたしの出番! ふたりに、矢を命中させちゃうんだから! ‥‥あ゛、はずれた‥‥次回、花の魔法使いマリーベル、『がんばれ! 愛のキューピット』。マリーベルに、おまかせよ!


  

Marybell Story Digest Ver.1999.07.24