第22話 (92.06.29放映)

〈解説〉

 ケンが男の子らしくなるようにとみんなで考えたお使い。このシナリオの見どころは、流されながらも一生懸命振る舞うケンの姿、そしてひたすら息子を想うレミとタクローの姿であろう。特に後者は多くの視聴者の心を引いたのではなかろうか?

〈ストーリーあらすじ〉

 博覧会駅に出掛けたパパからの突然の電話。大事な忘れ物をパパに届けなければならなくなったのです。しかしママとユーリはお店を閉めるわけにいかず、ローズおばあちゃんも用事があってダメ。「ママ、ぼくが届けるよ!」 みんなで困っていると、ケンが自分から名のり出たのです。

 でも本当は、ケンももう男の子、一人でお使いをさせてみようとみんなで仕組んだことだったのです。そんなこととは知らずにケンはサニーベルの駅から電車に乗って出かけていきました。ママはとっても心配。ケンになにかあったときのことを考えて、同じ電車にマリーベルとユーリがこっそり乗って少し離れたところから見守っています。

 途中のグンリベーという駅でいったん停車。ケンのとなりに乗っていたおじいさんは電車を降りていきました。ところが横を見るとおじいさんのバッグが。急いでそれをおじいさんに届けに行ったすきに、電車は出て行ってしまいました。マリーベルたちが気づいたときにはすでに遅く、二人とも電車に取り残されてしまいケンとバラバラに‥‥

 ケンが次の電車を待っていると、小さな女の子がホームの花壇のお花をむしっているのです。「かわいそうだよ、お花も生きてるんだよ。」 そういってケンが近づくと急に泣き出してしまいます。その子、ミキちゃんは迷子になってしまっていたのです。ケンは一緒にママを探しに行ってあげることにしました。

 一方その頃、予定の電車で三人がやってこないのでパパとママはとても心配します。ママは急いで博覧会駅へ向かうのです。

 逆の電車で戻ってきたマリーベルたちは、花壇のお花さんたちから事情を聞き出します。「マリーベルタンバリン! 魔法の手鏡、出ておいで! ミキちゃんのおかあさんの居場所をおしえて!」 マリーベルはこっそり、ハトさんを使ってミキちゃんのおかあさんをうまくケンたちのところへ連れてくるのです。こうしてやっとケンは再び電車に乗って博覧会駅へと向かいました。

 ところがあわてて乗り込んだ電車は実は急行電車。気づいたときにはすでに遅く、通過していく夕陽の中の博覧会駅を見てため息をもらすケン‥‥つぎの駅についたときにはもうすっかり夜。しかも博覧会駅に戻るつぎの電車は駅員さんに聞いてみればなんと1時間もあと。駅員さんはケンが迷子ではないかと疑うのです。

 「たいへん! 駅員さんにケンが迷子だと思われちゃったわ!」「そうなるとケンがひとりでお使いできなくなっちゃうよ」「よーし! マリリンベルルンリンリンリ〜ン、お花の電車、でておいで!」 すると、ケンが待っているホームに博覧会駅行の臨時電車が入ってくるのです。

 そして電車はパパとママの待つ博覧会駅へ。お花の電車はパパとママの待つホームへと入ってきました。電車の中からケンが出てきてパパもママも大よろこび! ケンはひとりでお使いができたのです。ケンのお使いはマリーベルのおかげで大成功でした。

〈次回予告〉 〜 #23 「迷子の迷子の人魚姫」 〜

 はーい、わたし、マリーベル。サニーベル湾にある小島、サニーランドの洞窟で、人魚の赤ちゃんをみつけたの。ミルクをほしがって泣くし、うわさを聞きつけて、テレビ局の人までやってきちゃってたいへん! 早くおとうさんとおかあさんをさがしてあげなきゃ。次回、花の魔法使いマリーベル、『迷子の迷子の人魚姫』。マリーベルに、おまかせよ!


  

Marybell Story Digest Ver.1999.07.24